課題・解決策・実行計画・成果を整理して事業計画書を作る中小企業

【補助金実務5日間②】採択されやすい事業計画書の書き方|課題・解決策・数字を一本につなぐ

補助金申請で失敗しない5日間実務シリーズ|第2回

補助金の事業計画書で大切なのは、難しい言葉や立派な表現ではありません。審査員が知りたいのは、なぜその事業が必要で、何を実行し、どんな成果が出るのかという一本の筋道です。今回は、初めてでも組み立てやすい書き方を解説します。

計画書は「課題→解決策→成果」でつなぐ

伝わりやすい計画書は、現状、課題、原因、取組、成果が順番につながっています。たとえば「新しい機械を導入する」だけでは、必要性も効果も分かりません。「熟練者しかできない工程があり納期が長い」という課題に対し、「自動加工設備を導入して標準化し、月産数と受注可能件数を増やす」と書けば、投資の意味が見えてきます。

最初に集める5種類の材料

  • 自社の現状:商品、顧客、売上構成、人員、設備、商圏
  • 強み:技術、実績、顧客評価、立地、対応力
  • 課題:売上停滞、人手不足、納期、原価、認知不足
  • 市場の根拠:顧客の声、問い合わせ、競合、統計、業界動向
  • 実行条件:担当者、協力先、見積、資金、スケジュール

文章を書く前に、これらを箇条書きにすると整理しやすくなります。ミラサポplusも、現状把握、方針・戦略、目標、具体的な取組の順に考える方法を紹介しています。

数字は「願望」ではなく計算式で示す

「売上が増える見込み」より、「新規顧客20社×年間平均購入額10万円=年間売上200万円」の方が説得力があります。作業削減なら「1件30分×月200件=月100時間を、システム導入で40時間に削減」のように、現在値、目標値、差分を示します。

予測値は必ずしも当たるとは限りません。それでも、商談件数、既存顧客の購入実績、テスト販売、業界統計など、数字の根拠を示すことで実現可能性を判断しやすくなります。

審査項目を見出しに変換する

公募要領には、適格性、事業の有望度、実現可能性、政策面、積算の妥当性などの審査項目が書かれています。完成した後に確認するのではなく、最初から審査項目を計画書の見出しやチェックリストに変換しましょう。

  • 制度の目的に合っているか
  • 自社の課題と取組が結びついているか
  • 顧客と市場が具体的か
  • 競合との違い、自社の強みがあるか
  • 担当者、資金、日程に無理がないか
  • 売上・付加価値・生産性の数字に根拠があるか

読み手を迷わせない3つの工夫

一つ目は、専門用語に短い説明を付けること。二つ目は、一文を短くし、要点を箇条書きにすること。三つ目は、工程図、写真、売上表などを使い、文章と数字を対応させることです。審査は原則書面で行われるため、口頭説明がなくても理解できる内容にします。

よくある計画書のNG例

ありがちな失敗は、会社案内が長すぎて課題が見えない、補助金で買う物の説明だけになっている、「地域に貢献する」など抽象語が多い、売上予測の計算根拠がない、担当者と日程が決まっていない、といったものです。また、申請代行者が作った文章を経営者が説明できない状態も避けるべきです。

完成後は、事業を知らない第三者に読んでもらい、「誰の、どんな課題を、何で解決するのか」「なぜ自社が実行できるのか」「いくらの成果が見込めるのか」を答えてもらいます。答えがばらつく部分は、説明が不足している合図です。最後に、公募要領の審査項目を一つずつ指で追い、対応する記述が計画書内にあるか確認しましょう。

まとめ:設備ではなく事業の変化を書く

計画書の主役は購入物ではなく、導入によって会社と顧客がどう変わるかです。「課題→解決策→実施体制→数字の成果」を一本につなぎ、公募要領の審査項目と照らし合わせましょう。次回は、計画が良くても失敗しやすい「対象経費・見積・発注」の実務を整理します。

5日間シリーズ

  1. 自社に合う補助金の探し方
  2. 採択されやすい事業計画書の書き方
  3. 補助対象経費の見分け方
  4. 加点項目と賃上げ要件の考え方
  5. 採択後から入金までの実務

参考:補助金入門 STEP2:補助事業計画書の作成補助金入門 STEP3:補助の審査・交付・報告
※審査項目は制度ごとに異なります。必ず最新公募要領をご確認ください。

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